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第62話

目を覚ますと、外はすでに明るくなっていた。 腕時計を見ると8時すぎを指してる。 なんか久しぶりにゆっくり寝た気がする。 そう思って俺はグゥーと伸びをした。 俺はふと、昨日の話を思い出した。 獣人の立場は知っていた。でもそれは知識として知っていただけ。 いざ現実を突き付けられると、どうしていいのか分からなくなる。 何とかしてあげたいって思うけど、俺にはそんな力なんて無い。 まぁ、冒険者ですら無い俺がどうこうしようなんて、それ以前の話なんだけど………… ………………………って、そうだ!冒険者登録!! 「レイス、レイス!起きて!」 俺は隣のベッドに寝てるレイスを起こす。 レイスの体をユサユサと揺すっていると、レイスが微かに目を開けた。 「……なに?」 まだ眠そうに起き上がったレイスが不機嫌そうにそう言う。 「ギルド!冒険者ギルド行こう!ね、早く!」 そう言ってレイスの腕をグイグイと引っ張っていると、頭を押さえ付けられてベッドに倒された。 「落ち着け」 「………はい」 「ったく!お前はもう少しその後先考えなく動く癖何とかした方がいいぞ」 「だから、ごめんって言ってるじゃん!」 俺たちは、とりあえず朝ごはんを食べて準備してからギルドに行くことにした。 て言うかあの後、レイスに頭を押さえ付けられて今日の予定を延々言い聞かされた。 俺だって毎回考えなしに動くわけじゃない。今回はたまたまだ。 だってようやく俺も冒険者になれるんだよ。テンションが上がらないわけないじゃん。 そう思いつつも、この後ギルドに行くことを考えると自然に体がソワソワと動く。 ふとレイスを見ると、レイスはジト目で俺を見ていた。 俺はそんなレイスから目を逸らして、誤魔化すように目の前の料理を口に運んだ。

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