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第64話

(レイスside) フタバにキラータイガーの牙と俺の荷物を無限収納から出すよう頼むと、フタバが突然叫んだ。 どうしたのか聞いてみても、フタバに俺の声は聞こえてないみたいだった。 俺は諦めて見守ることにした。 しばらく見ていると、フタバは空中で手を動かして何かし始める。 何をしてるんだと思って見ていると、フタバの掌に魔法陣が出現した。 どうやら無限収納を開いたみたいだった。 フタバは魔法を使うとき、無詠唱だから発動するまで魔法を使ってるのかどうかが分からない。 俺は何を出したんだと思って覗き込むと、フタバの手の上には草が乗っていた。 ………何だ?あの草。 見た感じ、薬草じゃないし……ただの雑草? 「それ何?」 そう声を掛けた瞬間、フタバの体が大きく跳ねた。 「うわっ!?…びっくりしたぁ。急に声掛けないでよ!」 そう言ってフタバは胸を押さえながら驚いた顔をする。 「……悪い。そんなに驚くとは思わなかった」 フタバは『もー』と唸りながら、もう一度手元の草に視線を向けた。 「で?結局、その草何なの?」 そう聞くと、フタバはニマッと笑った。 「これはね!無限収納に時間停止機能があるかどうか確かめる為に入れてたんだよ」 「…時間停止機能って…何の為に?」 そう聞くと、フタバはムッとした顔をする。 「時間停止機能付いて無いと大変なんだよ!」 そう言ってフタバは怒り出す。 「考えてみてよ。無限収納に時間停止機能付いて無かったら、入れてるキラータイガーどうなってると思う?」 「……腐敗するな」 「でしょ!!だから停止機能は重要な機能なんだよ!!」 そう言ってフタバがぐいぐい寄ってくる。 俺はそんなフタバに思わず後退ってしまう。 「分かった。分かったからちょっと落ち着け」 そう言って俺は何とかフタバを制止した。

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