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第67話

俺は周りをキョロキョロと見ながら、レイスに手を引かれてギルド内を歩く。 「レイスさん!フタバさん!」 俺が周りに気を取られていると、奥の方から俺たちを呼ぶ声が聞こえてきた。 見ると受付にミーヤさんが立っていた。 「ミーヤさん」 俺はミーヤさんに駆け寄った。 「フタバさん、お加減はどうですか?」 「もう大丈夫」 そう答えるとミーヤさんにニコッと笑った。 「ミーヤさん、ギルドの受付だったんだね」 「はい。フタバさんは今日は冒険者登録ですか?」 「はい!お願いします!」 「あ、ミーヤ。一緒にパーティー登録も頼む」 俺の後ろからレイスがそう言う。 ミーヤさんは一瞬きょとんとしたけど、その後ニコッと笑った。 「分かりました。少々お待ち下さい」 そう言ってミーヤさんは受付の奥に入っていった。 「………レイス、誰かとパーティー組むの?」 そう聞くと、レイスはきょとんとする。 「あ、ごめん。俺には関係無いよね」 ……そう、レイスが誰とパーティー組もうが俺には関係無い。俺とレイスはここまでなんだから。 そんな俺にレイスがため息をつく。 「何言ってるんだ、お前に決まってるだろ」 「…ぇ……俺?……いやでも、一緒なのは俺が登録するまでなんじゃ?」 「そのつもりだったけどな。お前は何かと危なっかしい」 『だから』と言って、レイスは俺の頭に手を置く。 「俺が一緒に居て面倒見てやるよ」 そう言ってレイスは微笑んだ。

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