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第72話
レイスが魔法を教えてくれる人が居ると言って、俺たちはその人のところに向かった。
魔法を教えてくれるって事は、その人も魔術師なのかな。どんな人なんだろう?どんな魔法を使うんだろう?
そう思うとちょっとワクワクした。
しばらく歩いてると、あることを思い出した。
「そういえば、ギルドではキラータイガーの牙だけしか出してないけど、本体はどうするの?」
「ギルドでキラータイガーの本体を出すと不審に思われる。俺が運べないのはギルドには知られてるからな」
「え、じゃあ入れっぱなし?」
そう聞くと、レイスにニヤッと笑った。
「いや、これから行くところでも引き取ってくれる。そこは多少の融通が効くから」
「そうなんだ」
どんな所なのかな。楽しみだな。
そう思って来たは良いけど、ここって……
レイスに連れられて来たのは、どこからどう見ても王宮。
いや、まだ奥に一際大きいお城があるから、ここは離宮になるのかな。
レイスは門番の人と何か話をしている。
え、何で?何でこんなところに来るの!?突然来たけど、こういうのって事前にアポとか必要なんじゃないの!?
「何してる?行くぞ」
そう言って門番と話終えたレイスが呼ぶ。
俺は軽くパニックになって、訳が分からなくなっていた。
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