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第81話

俺たちは宮の中に入って、リオさんが淹れてくれたお茶をご馳走になった。 「今後の話なんだが、フタバの魔法はリオが教える」 お茶を飲んで一息ついたところで、ディルがそう言う。 「え、リオさんが?」 そう言ってリオさんを見ると、リオさんはニコッと笑う。 リオさんも魔術師だったの? 「俺の魔法は剣が主体だから、魔法単体ではいまいちなんだ。リオは『先導師』の位を持つ魔術師だから、教えるならリオが適任だろう」 そうディルが言う。 「…ねぇレイス、先導師って?」 俺は『先導師』の意味が分からなくて、隣に座っていたレイスに聞いてみる。 「先導師は名前の通り、先を導く者の事だ。この場合は、教え得(う)る者って言った方が正しいか」 つまりは『先導師』=『先生』って事かな。 ……って事は、すごい本格的に教えて貰えるって事か?それって、何かすごい事なんじゃ? そう思って、俺はリオさんを見ると目が合った。 「フタバさん、よろしくお願いいたします」 そう言ってリオさんは、胸に手を当てて頭を下げてきた。 俺も慌てて立ち上がると、リオさんに向かって頭を下げた。 「こちらこそ、よろしくお願いします」 「ところで、二人は今どこに居るんだ?」 話が纏まったところで、ディルがそう聞いてきて俺とレイスは顔を見合わせた。 「今はギルド提携の宿に宿泊している」 そうレイスが答えた。 「わざわざ通うのも面倒だろう。ここを拠点にする気はないか?」 そう言ってディルはニッと笑う。 「ここを?」 「あぁ。元々レイスは戻ってきたときはここで寝泊まりしてたし、慣れてるとこの方が良いだろう」 「……俺は大丈夫だけどフタバが」 そう言ってレイスが俺を見る。 えっと……今の話だと俺たちもこの宮殿に住んだらどうだって事だよね? ………………って、離宮とはいえ、王宮に住むってこと!? 「フタバ、どうだ?」 ディルがそう聞いてくる。 「……ぇ……あの……」 え、これどうしたら良いの!?何て答えるのが正解なの!? 俺はパニックになって、訳も分からずぐるぐる考えていると、ポンと頭に手を置かれた。 「落ち着け、大丈夫だから。嫌なら断ったって構わない」 そう言ってレイスが笑う。 ここまで関わってて言うのもあれだけど、王族とはあまり関わりたくない。 でもこの二人はレイスの友達だから信用出来る。今のところ、俺に不利益になることは無い。 ……それに、二人の事をもっと知りたいと思っちゃったんだよね。 「ここに居て、本当に迷惑にならない?」 「俺の方が提案してるんだ。迷惑になんてならない」 そう言ってディルは笑う。 「………じゃあ…」

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