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第101話

「……フタバさん、一体何の魔法を使ったんですか?」 そうリオさんが聞いてくる。 「……えっと、雷魔法を使ったんですけど」 「雷魔法!?今のが!?」 リオさんはそう言って、驚愕の表情を見せる。 「おい、今のは何なんだ!?」 そう言って離れた場所に居たディルとレイスも駆け寄ってきた。 あ~!俺、やっぱやっちゃったっぽい。 これあれだよね。主人公が魔法使ったら思いの外強力だったってパターンだよね。 そう思ってレイスをチラッと見ると、レイスは顔を押さえてため息をついてた。 「……取り敢えず、訓練は一時中断します」 そうリオさんがため息をつきながら言った。 リオさんが俺の魔法で焼け焦げた庭を修復すると言った。 その間、俺たちは宮内にあるティールームでお茶をしていた。 って、庭を焼いた張本人が優雅にお茶してて良いの!? 本当は俺が直さなきゃいけないんだけど、俺、土魔法は使えないことになってるしなぁ。 ……なんかリオさんに申し訳ない。 しばらくして、庭の修復を終えたリオさんが戻ってきた。 リオさんはその事をディルに報告した。 「リオさん!」 俺はディルと話終えたリオさんを呼び止める。 「どうかしましたか?」 「…あの、ごめんなさい。俺が庭を焼いちゃったのに、修復をリオさんに任せちゃって」 そう言うと、リオさんはクスクスと笑った。 「構いませんよ、あなたをフォローするのも私の役目ですから」 そう言うリオさんの表情がスッと真剣なものに変わる。 「ですが知っての通り、フタバさんの魔法は強力です。恐らくフタバさんが保持している魔力量も多いと思います」 ……そうなんだ。俺、自分の魔力量知らないんだよね。 そういえば、ステータスにも『MP』って表示されてなかったな。 「今後は魔力操作の練習をしていきましょう」 『魔力操作を覚えれば、好きなように魔法が使えます』とリオさんが言う。 俺は、リオさんのその言葉に頷いた。

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