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第102話
魔法の練習が無くなって、時間が空いてしまった。
まぁ、練習が中止になったのは俺のせいなんだけど、ちょっと残念。
俺は空いた時間を使って宮内を散策していた。
「……広いね」
俺は一緒に連れてきたルディに話しかける。
ルディは返事をするように『キュッ』と鳴いた。
こんな広い宮殿がディルのだなんて、やっぱり王族って凄いな。
まぁ、女官や従者も何人か住み込んでるみたいだけど、それでもまだまだ使ってない部屋はあるらしい。
もう結構歩いてるのに、いまだに全部見れてない。本当に広い。
……ちょっと疲れたな。
そう思って、俺はため息をついた。
もう少し歩いていると、俺が魔法の練習してた中庭とは違う中庭が出てきた。
わぁ!ここすごい!
その中庭はさっきの殺風景な中庭とは違って、木や花が植えられてあって、遠くの方に小さく東屋が見える。
俺は外に出て、庭が見渡せる場所に座った。
丁度夕陽が沈む時間帯ていうのもあって、夕焼けがキレイだ。
ルディも気に入ったみたいで、興味津々で走り回ってる。
もう少し時間があったら、この庭も散策したいな。
「フタバ?」
そんな事を考えながら庭を眺めていると、上から声が聞こえてきた。
見るとレイスが立ってた。
「何してるんだ、こんな所で」
「宮殿の中を散策してたら、ここ見つけて眺めてた」
俺がそう言うと、レイスがため息をつく。
「そんな所に座らないで椅子に座ればいいだろう」
レイスがそう呆れ気味に言った。
俺が今座ってるのは地べた。
ちょっと離れたところにテーブルと椅子があったけど、何となくそこに行く気にはなれなかった。
「ここで充分だよ。それにここにある家具は豪華すぎて」
ディルに好きにして良いとは言われてるけど、あんな豪華で高そうな家具は使うのにどうも気が引けてしまう。
「なんだ、それ」
そう言って苦笑を浮かべながらレイスも俺の横に座った。
「服汚れちゃうよ?」
せっかく格好いい服なのに。
「構わない」
そう言ってレイスに笑った。
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