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第110話
(レイスside)
「それは良いとして、そろそろ休むぞ」
そう言うと、フタバは『はーい』と言って今度は素直に動いてくれた。
「そうだ、ディルたちにフタバが召喚者だということを伝えた」
俺はベッドに入ろうとしているフタバにそう伝えた。
「え?」
フタバは驚いたよに振り返る。
「勝手な事をしてすまない。でももし何かあったときに、あの二人の協力が必要なんだ」
「え、いや、別に。何となくその話かなとは思ってたし、あの二人に協力してもらうには俺の事を話さなきゃ無理だし」
『俺は気にしてないよ』と言ってフタバは笑う。
本当にフタバはどこまで理解してるんだ。
どこまで先の事を見てるんだ。
「フタバ。フタバはどこまで分かってるんだ?フタバにはこの先、何が起きるのか解るのか?」
思わず出てしまった言葉。
フタバはきょとんとした後、少し考える素振りをした。
「この先の事は俺には分からないよ。でも、確実に何か起きる事は解る。その時は俺も召喚者として動かなきゃいけないと思う」
いつになく真剣な顔をして言うフタバに、俺はため息をついた。
「…回避は無理なんだな」
「何が起きるのか分からないからね」
そう言ってフタバは困ったように笑った。
「……そうか」
「それより、もう寝ようよ。俺、明日またリオさんに魔法を見てもらうんだ!」
そう言ってフタバは目を輝かせる。
それを見て、俺は思わず笑ってしまった。
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