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第112話
朝、宮内が騒がしいのに目を覚ました。
どうやら、考え事しながらあのまま寝ちゃったらしい。
レイスもこの騒がしさに目を覚ましたみたいだ。
「……何かあったのかな?」
「さぁ?」
そんな事を話してると、コンコンとノックされた。
『おはようございます、レイス様。少々よろしいでしょうか?』
と扉の前からリオさんの少し慌てた声が聞こえてきた。
その声に俺とレイスが顔を見合わせる。
レイスが扉を開けて対応した。
「リオ、そんなに慌ててどうした?」
「レイス様!フタバさんが…」
そう言い掛けたリオさんと目が合う。
俺たちは一瞬、皆して固まってしまった。
「朝、フタバを起こしに行った従者がフタバが居なくなったって騒いでな。ルディも一匹で残されてるしで、皆して探してたんだよ」
そうディルが笑いながら言う。
「………ごめんなさい」
「俺が連れてったんだ。配慮が足りなかった、申し訳ない」
そう言ってレイスもディルに頭を下げた。
朝、俺を起こしに来た従者が部屋にルディだけが居て、慌てた様子から俺が居なくなったと勘違いしたらしい。
それで居なくなった俺を探して、今朝の騒ぎになった。
俺たちは今、無事だったって報告をする為にディルの所に来ていた。
確かに、誰にも何も言わずにレイスの部屋に行ったから…
ルディは寝てたし、部屋には戻るつもりだったからルディは連れていかなかったんだよね。
「ルディもごめんね。いきなり一人でびっくりしたよね」
そう言ってルディを撫でると、ルディは『キュッ』と鳴いた。
「ていうか、何でレイスの部屋に居たんだ?」
ディルがそう聞いてくる。
「部屋が広すぎて落ち着かなかったんだよ」
本当はあの広い部屋に一人だって自覚したら寂しくなっちゃったんだけど。
そう言うと、ディルがきょとんとする。
「フタバに用意した部屋はそこまで広くないだろう」
そう言ってディルは『意味が分からない』とでも言うような顔をする。
何言ってんの!?あの部屋、元の世界で俺が住んでた部屋より断然広いからね!
「まぁ良い。フタバはそのままレイスの部屋に移動しろ。レイスもフタバと一緒で良いだろう?」
ディルがそう言うと、レイスは頷いた。
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