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第113話
皆が集まった事で、そのままディルの執務室で朝食を食べることになった。
ディルがそう従者に伝えると、しばらくして次々と料理が執務室に運ばれてくる。
メニューは卵料理にサラダ、スープにパン。デザートまでしっかりある。
でもやっぱり量が多い。
俺、朝はあまり食べる習慣が無いから。
……食べきれるかな。
「フタバは食べれるだけでいいぞ?」
そんな事を考えながら料理を眺めていると、ディルがそう言ってきた。
俺はそう言われて頷いた。
俺は『いただきます』と言って食べ始めた。
「……フタバ、食べながらで良いから、少し話を聞いても良いか?」
ディルにそう言われて、俺は頷いた。
それを確認すると、ディルが手を上げる
それを合図に部屋に居た従者とメイドが出ていった。
その後、ディルはリオさんに目で合図を送るとリオさんが何か唱え始めた。
……これ、詠唱だ。
魔力の流れが分かる。これも魔力操作の練習のお陰かな。
これから話す事は、多分俺の事だから……
話す内容からして、多分これ結界魔法だよね。
リオさんが結界を張り終えて、ディルに向かって頷いた。
そんなリオさんにディルも頷き返す。
その後、俺を見てきた。
………話の内容は予想つくけど、なんか緊張してきた。
「フタバが召喚者だとレイスから聞いた。それは本当か?」
ディルはそう言って、じっと見てくる。
俺はその目に一瞬怯んでしまった。
これは隠さない方がいいよね。
「……本当だよ」
「どこから来たのか聞いても?」
そう言われて、俺は頷いた。
「俺が来たのは日本という国」
「にほん……聞いたことない国だな。どんな国なんだ?」
うーん、これはどう説明したら良いのかな。
「えっと、平和な国だよ。全くって訳じゃないけど、争いとかはあまり無いかな」
その後、俺は元の世界の事を皆に話した。
元の世界では魔法が無い事、魔物が居ない事、魔法じゃなくて科学が発展してる事。
上げたらキリがないけど、こっちの世界との違いを話した。
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