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第121話
(リオside)
ディル様と話していたフタバさんが何か落ち込んでるように見えた。
多分、ディル様に勇者として警戒されてることにショックを受けているんだろう。
フタバさんに聞いてみると、勇者は嫌ではないけど、アルザイル国王に従うのは嫌だと言った。
「アルザイル国王はあなた方勇者を使って何をしようとしているのですか?」
そう聞くと、フタバさんは首を傾げた。
「それは俺にも分からない」
「防ぐ方法はあると思いますか?」
そう聞くと、フタバさんがぴくっと反応した。
「………あるんですね?」
そう言うと、フタバさんは目を逸らしてしまった。
フタバさんは何故か知識だけは私たちよりも持ってるようにみえる。
魔法も荒削りではあるけど、魔力操作が出来ていた。
聞けば感覚だけで使っているみたいだった。
本来、何も知らない人間が教えも乞わずに魔法を使うなんて出来ない。
フタバさんの話では、フタバさんの世界には別世界を題材にした書物が沢山あると聞く。魔力操作の方法もその書物に習って行ったみたいだ。
恐らく、今回の解決方法もその書物に書かれていたんだろう。
「フタバさん、教えて頂けませんか?」
そう言うと、フタバさんは眉をひそめた。
しばらく沈黙が続いた後、フタバさんがため息をつく。
「……あの王様が何を企んでるのかは分からない。何が目的で俺たちを召喚したのかも分からない」
そう言ってフタバさんがじっと見てくる。
「…リオさんは、俺が話すことによって変わると思いますか?」
その質問の意味は分からなかった。
でもその質問の答えによっては、もうフタバさんは解決方法を話してくれないかもしれない。
「それは分かりません。でも、力になれるとは思います」
この答えが合ってるのかは分からない。
フタバさんは目を伏せてしまう。その後フタバさんがもう一度ため息をついた。
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