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第122話
元々リオさんたちに相談してみようとは思ってた。
けど、ディルやリオさんの話はレオーネ中心だ。まぁそれは仕方ないことなんだけど。
正直、俺が話すことで何か変わるなんてことは無いと思う。
リオさんにそう聞いたのは、俺自身後押しが欲しかったのかもしれない。
これは俺一人でどうこう出来る問題じゃないし、俺一人が悩んでても仕方ないこと。
そう思って俺はため息をついた。
「俺がこれから話す事は、あくまで可能性の範囲です。確証もなければ、必ずそうなるって分けでもない、それだけは了承してください」
俺がそう言うとリオさんは頷いた。
アルザイル国王がこれからしようとしているのは、恐らく領地の拡大。
領地を拡大して自らの利益を増やそうとしている。
俺たち召喚された勇者はその駒に過ぎない。
どうやるかは分からないけど、多分勇者の力を他国に見せつけて傘下に加えるって感じかな。
「………的は得てますね。でも確かに確証がない」
俺が考えてたことを話すと、リオさんも頷く。
「そうなると仮定して、それを止める方法はありますか?」
そう聞かれて、俺は黙ってしまった。
「フタバさん?」
リオさんがじっと見てくる。
俺はもう一度ため息をついた。
「止める方法はあります。でもそれはレイス次第」
「……レイス様次第?」
「俺も当事者ではあるけど、一番の当事者はレイスとフレディだよ。今はまだアルザイル王国の中だけの問題だから、外部の…それも他国の人間が手を出すことは出来ない。なら身内に止めて貰うしかない。だからレイス次第」
「……なるほど」
「……でも出来ればそれは避けたい」
そう言うと、リオさんが不思議そうな顔をする。
「それは何故ですか?」
「レイスとフレディが傷付くから。もしそうなれば、レイスとフレディは実の父親と対立することになる」
そして、あの王様を倒すのはレイスだ。
そんな事、レイスにはさせたくない。
そう言うと、リオさんは少し考え出す。
「………分かりました。何か違う方法を皆で考えましょう」
「………良いんですか?」
「良いも何も、この話はまだ仮定の段階ですし、皆で考えればもっと良い方法があるでしょう。それに、私もレイス様やフレデリア様が傷付くのは嫌ですから」
そう言ってリオさんはニコッと笑った。
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