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第123話

「さぁ、お話はこの辺にしておきましょうか。そろそろディル様とレイス様が戻って来られてるころだと思います」 そう言ってリオさんは立ち上がると、扉の方に行って開かないようにしていた魔法を解除した。 その瞬間、カチャと扉が開いた。 「ようやく開いたか」 そう言ってディルが入ってきた。 その後からレイスも続く。 どうやら少し前から開くのを待ってたみたいだ。 「お待たせ致しました」 そう言ってリオさんが笑う。 ……もしかしてリオさん、外にディルたちが居たの気付いてたのかな? そんな事を考えていると『キュッ』とルディの鳴き声がした。 声がした方を見ると、ルディがレイスに抱かれていた。 「ルディ、居ないと思ったらレイスの所に居たんだね」 「俺が出てくときに一緒に着いてきたみたいだ」 「そっか。ルディはレイスが心配だったんだね」 そう言って俺はルディの頭を撫でた。 その後、レイスを見た。 「……落ち着いた?」 レイスにそう聞くと、レイスは少し困ったように笑った。 「悪かったな。なんか、フタバには俺の身内がとことん迷惑掛けてるみたいだ」 そう言われて、俺はきょとんとしてしまう。 「迷惑なんて思ってないよ。前にも言ったけど、召喚されたことは嬉しいし、俺が勇者にならなかったのも城を出たのも全部俺が勝手にした事だよ。その事に対してレイスが謝る必要は無いよ」 そう言うとレイスが驚いた顔をした後、突然笑い出した。 「お前って、たまにすごい潔いよな」 そう言ってレイスは笑い続けた。

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