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第124話
「フタバ」
レイスと話していると、ディルが声を掛けてくる。
ディルは何故か神妙な面持ちをしていた。
「すまなかった」
俺がどうしたのかとディルの顔を見ていると、突然ディルがそう言って頭を下げてきた。
「え!?な、何、急に!?」
「俺の物言いで、お前に不快な思いをさせてしまった。申し訳ない」
そう言って頭を下げ続けるディルに俺はため息をついた。
「そんなに謝らなくて大丈夫だよ」
俺は頭を下げてるディルの肩を掴んで体を起こさせる。
「ディルが国を優先させるのは仕方ない事だよ。それに皇子様がそんな簡単に頭を下げちゃダメだよ」
そう言ってディルに笑いかけると、ディルもぎこちない笑顔を見せた。
「俺が国を捨てることは出来ない。でも出来る限りの協力はするつもりだ」
「うん、ありがとう」
「じゃあ話も纏まったことで、フタバさんはこちらで今後の話をしましょう」
そうリオさんが言う。
「……今後の話?」
「今後、フタバさんを指導するにあたって、フタバさんの能力を正確に把握する必要があります。ですのであちらで少しお話をお伺いしてもよろしいですか?」
「……また魔法を教えてくれるんですか?」
俺はてっきり、もう魔法は教えて貰えないかと思ってた。
「フタバさんの場合、レベルが高い分制御が出来ないと危険ですから。それに一度引き受けたことは最後まで責任を持って遂行致します」
そう言うリオさんに俺は思わずレイスを見た。
レイスと目が合うと、レイスは微笑む。
「行ってこい」
そう言ってレイスが俺の背中を押した。
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