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第126話
俺がキラータイガーを出すと、ディルとリオさんがまた驚いた顔をする。
「……本当にキラータイガーを持ってるとは」
そうディルがボソッと呟く。
どうやら無限収納の事は話したけど半信半疑だったみたいだ。
「フタバさん、この無限収納っていうのは容量はどうなってるのですか?」
ポカンとしているディルとは逆に、リオさんは興味津々で聞いてくる。
「どれくらい入るのかはまだ試してないから分からないけど『無限収納』ってくらいだから多分無限に入ると思いますよ」
リオさんは『なるほど』と言いながらキラータイガーに触れる。
「このキラータイガーはいつ狩ったものなのですか?」
「……えっと……10日くらい前?」
俺は日にちを数えながら答える。
「……それにしては腐敗どころか、傷みすら見当たらない」
リオさんはそう言いながらキラータイガーをまじまじと見る。
「あ、無限収納には時間停止機能が付いてるからだと」
「そんな機能まで付いているのですね。ところで、フタバさんはどの様に収納魔法を?」
リオさんがキラキラとした目でそう聞いてくる。
………なんかリオさん、キャラ違くない?
まぁ、魔術師のリオさんが見たこともない魔法に興味を持つ気持ちはすごい分かるけど。
「こっちの世界に来たときには既にスキルとして持ってたので、俺も何で使えるか分からないんです。レイス曰く、勇者の特殊能力なんじゃないかって」
「なるほど」
そう言ってリオさんが頷く。
「おーいリオ、そろそろ査定をしてくれないか」
レイスが少し呆れ気味にリオさんにそう言うと、リオさんがハッとする。
「そうでしたね。申し訳ありません」
そう言ってリオさんはキラータイガーの査定を始めた。
俺はその様子を眺めていた。
リオさんがキラータイガーの体長を測ったり、部分的に確認してその詳細を紙に書いていく。
査定自体は10分くらいで終わって、リオさんはその紙を別の従者に渡した。
「あのキラータイガーは一撃で倒されましたね」
リオさんがそう言うと、レイスが頷く。
「流石ですね。このキラータイガーはほとんど傷が無く、毛皮がほぼ丸々使えます。体長も申し分ありません。残念なことを言えば、牙が一つ無いことですね」
そう言ってリオさんが査定結果を話していく。
「牙は討伐証明としてギルドに提出したからな」
レイスがそう言うと、リオさんが『そうですか』と頷いた。
そんな会話をしていると、さっきリオさんに査定を書いた紙を渡された従者が何か持って戻ってきた。
それをリオさんが受け取ると、その中身を確認する。
「では、こちらが買い取り金額になります」
そう言ってリオさんがレイスにお金の乗った台を渡した。
俺もそれを覗き込んだ。
……えっと、あの大きい金貨は大金貨だよね。それが1、2、3………
大金貨が6枚と金貨が7枚。
………って、67万!?
キラータイガー一匹で!?
いや、でも命懸けだから妥当なのか?
……なんか、金銭感覚狂ってくるなぁ。
そう思って、俺はため息をついた。
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