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第128話
俺がいつまで経っても無魔法が使えないことにリオさんも頭を抱えだした。
原因は分かってるのに、その解決方法が無い。
身体強化なんて個人で使うものだから、他人にこんな感じっていうのを教えるのは難しい。
無魔法はこの世界でも基本、感覚で使うものらしい。
この世界の人はブーストならこんな感じっていうのがすでに身に付いていて、実際に魔法を使う時にはすんなり使えるようになるという初歩中の初歩の魔法。
そんな長年の生活で身に付いた感覚を俺に求めないで欲しい。
「行き詰まってるなら、少し違うことをしてみたらどうだ?」
解決策が出てこなくて悩んでた俺とリオさんにディルがそう言った。
「……違うこと?」
何をすればという視線をディルに向けると、ディルは考え出す。
どうやらその先の事を考えて無かったみたいだ。
「レイス、何かあるか?」
「え!?」
ディルは思い付かなかったみたいで、レイスに振る。
急に振られたレイスが考え出す。
「…………ダンジョンとかはどうだ?」
そう言うレイスに、一番に反応したのは俺だった。
「ダンジョンがあるの!?」
そう言ってレイスに迫ると、一瞬レイスが引いた。
「ダンジョンはありますよ」
レイスに迫る俺をリオさんが引き離しながら言う。
「どんなダンジョンなんですか?」
「この辺だと、ミラのダンジョンが一番近いですね。そこは50階層からなる、中級ダンジョンです」
「そのダンジョンって遠いんですか?」
「ミラはレオーネ領の端にあります。王都からだと3日といったところですね」
そう言うリオさんが俺をじっと見てくる。
「………行きたいんですか?」
「行きたい!!」
そう答えた俺に、リオさんはため息をついた。
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