131 / 269
第130話
今日はディルもリオさんも公務があるということで、魔法の訓練がなくなった俺はレイスと町に買い出しに来ていた。
町には色んな店があった。
果物や肉や野菜を売ってる店や、雑貨屋や魔力石を売ってる店もあった。
「レイス、あれは何の店?」
そう言って俺はレイスの服を引っ張る。
「……あれは、ポーションが売ってる店だな」
「ポーションが売ってるの!?」
ポーションと聞いてテンションが上がる俺にレイスがクスッと笑う。
「行ってみるか?」
そう聞かれて、俺は勢いよく頷いた。
商品が店頭に出てる店は何の店か分かるけど、そうでない店は何が売ってるのか分からない。
一応看板は出てるけど、何て文字が読めないから結局何の店なのか分からない。
俺とレイスはポーションが売ってる店に入った。
中に入ると、色んな色の液体が入った小瓶がずらっと並んでいる。
すごい!ポーションの瓶はイメージぴったりだ!
「ねぇ、どれが何のポーションなの?」
一応棚に値札みたいなのが貼ってあるけど、やっぱり読めない。
「緑色のやつが傷を治してくれる。他は青が魔力、赤が体力、紫が毒消しだな」
この世界のポーションは全部別なんだ。
傷と体力が別ってちょっと不便だな。
そう思いながら俺はポーションをじっと見る。
「同じ色のポーションでも色が微妙に違う。品質が違うのかな」
「ポーションには、ローポーションとハイポーションがある」
そう聞いて、俺は徐に色の濃い青のポーションを手に取った。
「こっちがハイポーションだね」
そう言うと、レイスが驚いた顔をする。
「初見でよく区別がつくな」
そう言って驚くレイスに、俺は首を傾げた。
「ポーションの効果は薬草の抽出度合いで決まるでしょ?なら色の濃い方が抽出度が上なんじゃないの?」
「……それも本で知ったのか?」
「話によっては作り方が違うから一概には言えないけど、共通してるのがそこだったからそうかなって思っただけだよ」
ポーションを作る行程は基本、抽出→効果固定っいう2行程で意外にシンプルだ。
話によっては、薬草を煮出して抽出したり、魔法で抽出したりで抽出方法は違ってくるけど、魔法で効果を固定するのはみんな同じだったりする。
使う薬草が分かれば、俺にも作れそうなんだけど……
本当は回復魔法が使えれば手っ取り早いんだけど、俺は回復魔法使えないしなぁ。
リオさんに聞けば、薬草のことを教えてくれるかな。
「あ、でも、やっぱりフルポーションは無いんだね」
「……フルポーションまで知ってるのか」
フルポーションは薬草の成分を100%抽出した物だ。
やっぱり100%抽出するのは難しいのかな。
ともだちにシェアしよう!