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第144話
俺はティールームを後にして、いつも魔法の練習をしている中庭に向かった。
中庭に着くと、俺は早速買ってきた投擲用のナイフを無限収納から取り出した。
ナイフと一緒に買ったナイフを収納出来る専用のベルトも取り出す。
俺はベルトを腰に着けて、ナイフをフォルダーにセットした。
ヤバい!一気に冒険者らしくなったんじゃない?
「フタバ、ナイフを投げる練習するなら的がいるんじゃないか?」
俺がベルトとナイフに浮かれていると、レイスがそう言ってくる。
「うーん、今日は多分そこまでいかないかな」
そう言うと、レイスは首を傾げた。
訳が分からないという顔で首を傾げているレイスを横目に、俺は早速思い付いた事を実行した。
頭の中で細いワイヤーを思い浮かべる。
思い浮かべたワイヤーを、魔力を使って具現化させた。
なぜワイヤーかと言うと、ただ単に丈夫な糸=ワイヤーってだけなんだけど、俺がこれからやろうとしてる事には、自在に動くワイヤーのしなやかさが不可欠だった。
俺が魔力を放出すると、手のひらから細い糸状になって出てきた。
よしっ!第一段階成功だ!!
「それは何だ?」
糸を出したところでレイスが聞いてくる。
「これは魔力を糸状にしたものだよ」
俺がそう言うと、レイスがジト目で見てきた。
「リオが居ないところで魔法を使わない約束だったんじゃなかったか?」
レイスにそう言われて、俺は『うっ』と詰まってしまう。
「いや、ほら。今から使うのは攻撃魔法じゃないし、庭を破壊することなんてしないから」
俺が若干戸惑いながら言うと、レイスは呆れたようにため息をついた。
「で、その糸でどうするんだ?」
「これをナイフにくくりつけて動かせないかなって思って」
カイジさんの店でこのナイフを買った時に、投げるのはいいけど回収が面倒だなと思った。
それに投的は投げたら投げっぱなしになる。
使い捨ては勿体無いし、無くしたりするのも嫌だった。
そこで思い付いたのが、ナイフに糸か何かをくくりつけて引っこ抜けばって方法だった。
前に何かの漫画でそういうのをしてるシーンが出てきたのを思い出したんだよね。
で、その糸を魔力で作ることが出来たら、魔力操作で自在に動かせるんじゃないかなと思った。
まぁ、これも練習あるのみなんだけどね。
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