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第156話
ふと目を開けると、一瞬状況が分からなくなった。
……えっと
俺はキョロキョロと周りを見渡す。
そうか、ちょっと休憩と思って部屋に戻ってベッドに横になったら、いつの間にか寝ちゃったんだ。
……今何時だろう?
そう思って窓の方に視線を向けると、薄暗くなりつつある空が目に入った。
……え?外、暗い?
本当、今何時!?
そう思って、俺は腕時計を見る。
時計の針は6時すぎを指していた。
確か、部屋に戻って来たのってまだ午前中だったよね。
俺、あれからずっと寝てたのか。
そう思って俺はグーっと伸びをすると、ポキポキと骨が鳴った。
なんか、久しぶりにこんなに寝たかも……
こっちに来てから何となく気が張ってたから疲れてたのかな。
もしかしたら魔力が乱れたのもそのせいかも。
そんな事を考えていると、ドアが開いてレイスが顔を出した。
「起きてたか」
そう言ってレイスが近寄ってくる。
「レイス、お帰り…?今帰ってきたの?」
「帰ってきたのは昼過ぎだ。てか、フタバはその時に一度起きて会話してるぞ?」
『覚えてないか?』と言われて考えてみるけど、思い出せなかった。
「一度起きたけど、完全に寝ぼけてたからな」
そう言って、レイスがクスクスと笑う。
うん、寝ぼけてたなら覚えてなくても仕方ないと思う。
そう思って、俺は一人で頷いた。
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