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第157話

「起きたなら夕食を食べるぞ。昼、食べてないだろ?」 レイスにそう言われて、お昼を食べてなかった事を思い出す。 かといって、お腹空いてるかって言われるとそうでもないんだけど。 そう言うと、俺はレイスに強制連行された。 レイスの中では、ご飯を食べない事は有り得ない事らしい。 レイスに連れられてダイニングルームに行くと、既に料理が準備されててディルとリオさんが待っていた。 「ようやく起きたか」 とディルが膝に乗せてるルディを撫でながら言う。 ルディ、居ないと思ったらここに居たんだ。 ディルからルディを受け取ってモフモフを堪能していると、レイスに『早く座れ』と言われて急いで席に着いた。 メイドさんたちによって、目の前に料理が取り分けられる。 ………あんまり食欲ないんだけどな。 でも少しは食べないと、レイスに何か言われちゃうかな。 「そうだ、フタバ。父上から返事があった」 俺が料理とにらめっこしてると、ディルがそう言う。 「……いつ?」 「明日の午後なら時間が取れるそうだ」 ……明日か。 「うん、分かった」 その後はご飯を食べながら明日の段取りを皆で話した。 明日は皆も一緒に王宮まで行ってくれるらしい。 流石に王様に一人でっていうのは荷が重いよね。 一人で王様に会わなきゃいけないと思ってた俺は、皆が一緒だと知ってホッと息を吐いた。

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