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第159話
ふわぁあああ!!
すごい!!まさにお伽噺に出てくる王子様!!
今俺の目の前には、王宮に行くために正装したレイスとディルの姿があった。
いつもの騎士服とは違って、洗礼された衣装。
レイスは黒地に裾には金の刺繍が施されていて、ディルは白地に青い刺繍が施されている。
髪もいつものラフに下ろされた感じじゃなくて、前髪を横に流してサイドは後ろに流す感じでちゃんとセットされていた。
「フタバさん、何してるんですか!?フタバさんも早く着替えて下さい!」
俺が二人に見惚れていると、リオさんが慌てた感じでそう言ってくる。
リオさんもいつもの侍従の格好じゃなくて、ローブを着ていて魔術師って感じだ。
魔術師の正装ってやっぱりローブなんだ。
「……俺も着替えなきゃダメですか?」
「なに言ってるんですか!?当たり前じゃないですか!」
『フタバさんの服も用意してありますから』とリオさんが言う。
「俺はいいですよ。ああいう服は似合わないだろうし」
そう言うと、リオさんがニッコリと笑う。
「ごちゃごちゃ言ってないでさっさと着替えて下さいね?」
そう言ってリオさんがパチンと指を鳴らすと、何処からともなく使用人が現れて俺は二人がかりで脇を抱えられた。
そのまま別室に引き摺られていく。
「え!?ちょっ!?……レイス、ディル助けて!」
俺は成す術がなくてレイスとディルに助けを求めると、二人とも俺から視線を逸らして見ないようにしていた。
「っ!?う、裏切り者~!!」
ささやかな抵抗も虚しく、俺は使用人たちによって別室で半ば無理やり着替えさせられた。
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