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第170話
(レイスside)
フタバが昏睡状態に陥って3日が経った。
体温の変化は落ち着いたものの、フタバは一向に目を覚まさなかった。
3日となると、さすがにフタバの体力の方が心配になってくる。
リオもこんなに長く目を覚まさない事を心配していた。
ディルが呼んだ薬師の調合した栄養剤を体内に送り込むことで栄養失調は免れているが、それも限界に近かった。
このままでは、フタバが衰弱していく一方だとリオは言う。
「………フタバ」
俺はいまだに目を覚まさないフタバの手を握った。
頼むから、目を覚ましてくれ。
そう思って、俺はフタバの手を握る手に力を入れた。
その瞬間、フタバの手が握り返してきたような気がした。
「…フタバ?」
名前を呼んで確認してみるけど、フタバからの反応は無かった。
……気のせいか。
そう思って俺はため息をついた。
魔力中毒はこれといった治療法がないらしい。
ただ魔力が体に馴染むのを待つしかない。
それが1日で馴染むのか、1ヶ月掛かるのか、それは人それぞれらしい。
リオの見解では、フタバの魔力量はかなりのものらしいから馴染むまでに時間がかかるかもしれないと言っていた。
俺はもう一度フタバに触れた。
早く目を覚ましてくれ。
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