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第177話

ふと目を開けると、馬車は停まっていて誰も居なかった。 外はもう薄暗くなってて、ここがどこなのかも、皆がどこに居るのかも分からなくて少し不安になった。 どうしようかと思っていると、馬車の扉が開けられて思わず体が揺れた。 「フタバ、起きてたか」 そう言って、レイスが顔を出す。 俺はレイスの顔を見て、ホッと息を吐いた。 レイスに連れられて馬車を下りると、少し離れたところにディルとリオさんと従者の人が野営の準備をしていた。 俺はそれを見て慌てて皆に駆け寄った。 「お、起きたか」 駆け寄った俺に、ディルがそう言う。 「手伝わなくてごめん」 そう言うと、ディルは『問題ない』と言って笑った。 「リオさん、手伝います」 俺は夕食の支度をしているリオさんに声を掛けた。 「では、スープを見てて貰って良いですか」 そう言ってスープを混ぜてたヘラを手渡された。 俺はリオさんと場所を変わって鍋の前に座った。 このスープは馬車に積んでた食材を使って作ったものだ。 ミラの町までは従者の人も一緒だから俺の無限収納が使えない。 だから町までの食材は馬車に積んでいた。 俺が無限収納に入れてるのはダンジョンに入ってからのものだ。 俺はスープをかき混ぜながら周りを見回した。 ディルとレイスが薪を拾って、リオさんと従者の人はテントを張る作業をしていた。 ………てか、テントでかくない? リオさんたちが組み立てていたテントは全部で3つ。 大きいテントが2つと、それより一回り小さいテントが1つ。 小さいテントは従者の人用で、後の2つは俺たち用らしい。 テントでは寝るだけだから、あの大きさなら1つで十分だと思うんだけどな。 そう思いながら、俺はリオさんたちを眺めていた。

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