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第179話

しばらくレイスを話をしてたけど、レイスが寝てしまって暇になってしまった。 俺はレイスを起こさないようにそっとテントを出た。 テントを出るとヒヤッとした空気で体が震えた。 俺はベッドからブランケットを取ってもう一度テントを出た。 外では吐いた息が若干白くなる。 テントの中は暖かいけど、外は結構冷えてたんだな。 そう思って、少し冷たくなってきた手に息を吐き掛けた。 外に出たは良いけどどうしようかなと思ってふと空を見上げると、満天の星空が目に飛び込んできた。 うわぁ、すごい!! こんな星空見たこと無い! 俺はその見事な星空に見惚れた。 日本で見る星空とは全く違う。 この世界の星空は、星が発する色んな光が混ざって空が色んな色に輝く。 見た感じは、星空というよりはオーロラに近いのかな。 でもオーロラみたいにあんなにはっきりした光じゃなくて、もっと淡い優しい光。 俺はテントの近くにあった大きめの岩の上に座って空を眺めていた。 ……もうちょっと見てたかったけど、さすがに寒くなってきたな。 そう思って俺は肩にかけていたブランケットを握りしめる。 そろそろ戻ろうかな。 そう思った瞬間、目の前にカップが差し出された。 見るとリオさんが立っていた。 「リオさん」 「どうぞ」 そう言ってリオさんが温かいお茶の入ったカップを差し出してニコッと笑う。 「ありがとうございます」 俺はリオさんからカップを受け取ると、それを一口飲んだ。 その瞬間、お茶の熱がじわっと体に染み渡った。 「眠れないんですか?」 そう言いながらリオさんも俺の横に座る。 「昼間寝ちゃったから。リオさんは?」 「もう少し周りの様子を見ていたので」 リオさんは自分用に淹れたお茶を飲みながらそう言った。 ……そっか、リオさんがテントの周りに結界を張ってるっていっても警戒はしなきゃいけないんだ。 ちょっとキャンプ感覚だったけど、やっぱり違うんだな。 そう思って、俺はもう一度空に視線を向けた。

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