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第188話

(レイスside) 「……フタバって、意外とタラシだよな」 ようやく手続きも終わってダンジョンに向かってる最中、ディルが唐突にそう言う。 「………何それ?」 フタバはいまいち意味が分かってないみたいで首を傾げた。 「フタバは無意識に人を魅了する」 「………何それ」 フタバは本当に意味が分からないみたいで少し呆れ顔になる。 「元の世界でもモテたんじゃないか?」 ディルがそう言うと、フタバは声を出して笑った。 「俺モテたことなんて無いよ」 そう言ってフタバは笑い飛ばすけど、多分モテたに違いない。 フタバの世界の女性たちは多分この世界の女性たちとは違うと思う。 でもその女性たちがフタバを放っておく筈が無い。 フタバに好意を持っていた女性は多いだろう。 こっちの世界にだって……… そう考えた瞬間、何故か胸がザワついた。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ (フタバside) ディルが俺がモテたんじゃないかと言い出した。 顔がニヤけてるから多分からかってるんだろう。 俺はモテたためしが無い。 小さい頃はそれなりに女の子と一緒に遊んだりはしてたけど、俺は一時人と接する事を止めた。 今ではそれなりに人と接してはいるけど、時々それが煩わしい時もある。 そんな俺が誰かと付き合うとか想像出来ない。 ……そういえば、こっちに来てからは誰かと一緒に居ることに煩わしいと思わないな。 特にレイスとは離れるのが嫌だとまで思った。 俺はレイスをチラッと見る。 レイスの傍は居心地が良い。 誰かの傍を居心地が良いなんて思ったこと無かったのに。 やっぱりレイスは不思議。

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