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第190話
(レイスside)
ダンジョンを目の前にするとフタバの目が更に輝いた。
それはもう、リオの忠告すら耳に入らないくらいに。
最終的には話を聞かないフタバはリオに怒られていた。
その様子を見て、俺は思わず笑ってしまった。
「楽しそうな顔だな」
そのディルが言う。
「ディルだって顔がニヤけてるぞ?」
俺がそう言うと、ディルは『ははっ』と笑った。
「実は俺も楽しみだったりする」
そう言ってディルは『お前もだろ?』と聞いてくる。
俺はそんなディルに笑って返した。
最近では高ランクの魔物討伐の依頼ばかり受けていたからダンジョンは久しぶりだ。
ダンジョンは腕試しには持ってこいの場所だ。
ミラのダンジョンは確か17階層まで攻略されていたな。
上手くいけば20階層くらいは行けるか?
もしかしたら20階層に出るかもと言われてるボスに会えるかもしれないな。
その事を考えると自然と口角が上がった。
「まぁ今回はフタバの付き添いだからあまり無茶は出来ないけどな」
俺がそう言うと、ディルが考え出す。
「俺はフタバの方が何か仕出かすような気がするんだが………」
ディルの言葉に、俺は今までのフタバの行動を思い出す。
「………それは否定出来ない」
俺とディルはいまだにリオに怒られているフタバをチラッと見る。
「……まぁ取り敢えず、目を離さないようにしておこう」
そう言うディルに俺は頷いた。
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