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第194話

俺とレイスとディルでスライムを全て討伐する。 今回、リオさんは見ているだけだった。 リオさん曰く、この空間で攻撃魔法を使うのは自殺行為らしい。 それは俺も同意見だった。 だから俺もナイフを使っていた。 いくら広い空間っていっても、閉鎖された場所で攻撃魔法を使うのは危険だ。 下手をすれば俺たち自身も無事じゃ済まない。 まぁ、攻撃魔法でも火魔法や爆発系じゃなければ大丈夫なんだけど。 俺たちはスライムを倒したことでドロップした魔石を拾う。 この世界のダンジョンでは魔石しかドロップしないらしい。 色んなアイテムが手に入るって思ってたからちょっと残念。 でもその魔石もドロップ率は低いらしい。 今回もスライム7匹倒してドロップした魔石は3個。 これでも多い方らしい。 しかし、皆がスライムの倒し方を知らないのは驚いたな。 レイスたちの話ではスライムは意外に厄介な相手らしい。 魔法が使えれば何とかなるけど、レイスみたいに魔法が使えない人は苦戦するみたいだ。 この世界では魔物の弱点とか習性とか、そういうのを調べる人が少ないのかもしれないな。 俺たちはその後も魔物を倒しつつ、順調に進んだ。 で、今は5階層。 階層が進むに連れて魔物も少しづつ強くなる。 って言っても、レイスとディルがすぐに倒しちゃうんだけど。 今のところ出てくる魔物はスライム、ゴブリン、コボルト。 コボルトもこのダンジョンで始めて会った。 コボルトは4足歩行の犬の姿をしていたり、2足歩行の犬だったり、作品に寄って色んな描写がある。 ちなみにこの世界のコボルトはワーウルフだった。 つまり、体は人間に近くて頭だけ犬。 そんな感じで魔物を倒して進んでを繰り返していた。 魔物を倒して進んで、魔物を倒して進んで……… 「………もう無理です」 そう言って俺は、その場に座り込んだ。 リオさんとの特訓で多少は体力が着いたっていっても所詮付け焼き刃にすぎない。 魔物を倒して歩いてって、そんなの無理だよ。 「今日はここまでだな」 とレイスが少しため息混じりに言う。 「リオ、フタバが限界だ」 とディルが少し先に行ってるリオさんに声を掛けた。 「仕方ありませんね。この先に開けた場所があります、今日はそこで野営を張りましょう」 と戻ってきたリオさんがそう言った。

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