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第196話
時計に興味を持ったリオさんが色々聞いてくる。
「時計の原動力は何なのですか?」
「……光、かな?」
「光で動くのですか?」
時計の原動力を聞いてリオさんが驚く。
厳密に言えば光じゃなくて電池なんだけど、この世界に電気を貯めるって発想がないから『電池』って言っても理解出来ないと思う。
それにこれはソーラー電池だから光が原動力って言っても嘘じゃないと思う。
その後もリオさんが『時間』がどういう風に定められたのか、何を基準にしているのかとか専門的なことを聞いてきた。
それは俺も分からない。
時間というものがどういう風に出来たとか聞かれても、俺にとっては当たり前にあったから困ってしまう。
それよりも………
俺は嬉々として時間の事を聞いてくるリオさんの後ろに視線を向けた。
奥ではレイスとディルがせっせと野営の準備をしていた。
………皇子二人が働いてて、従者と平民がのんびり話してて良いのかな?
しばらくして食事の支度が出来たとレイスが呼んだ。
そこで一旦リオさんとの話はお開きになった。
俺はリオさんに支えられながらレイスたちのところに向かう。
そこにはスープにサラダにパン、それにメインはステーキがテーブルの上に並べられていた。
明らかに野営で出てくる料理じゃない。
まぁ、材料は俺が無限収納に入れてたんだけど。
ていうか、これをレイスとディルが殆ど作ったっていうのが驚きだ。
「フタバ、大丈夫か?」
リオさんに支えられてた俺は、今度はそう言って依ってきたレイスに支えられた。
そのまま椅子に座らされる。
「手伝わなくてごめんね?」
俺がそう言うと、レイスがフッと笑った。
「気にするな」
そう言ってレイスが俺の頭に手を置いた。
その後ディルにも謝ったけど、ディルにも同じ事を言われた。
でもちょっと申し訳ないから、明日の朝は俺が作ろう。
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