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第200話
突然足元が光って魔法陣が現れた。
っ!?これって!?
「フタバ!!」
光の外でレイスが手を伸ばしてきた。
「レイス!!」
俺はその手を掴もうと手を伸ばしたけど、目の前がボヤけてレイスの姿が見えなくなって、レイスの手を掴むことが出来なかった。
魔法陣が放つ光に目がくらんで目をギュッと閉じる。
しばらくしてその光が消えた事に気付いて、俺はゆっくり目を開けた。
俺は周りを見回す。
さっきいた場所とは違う場合。
ってことは、さっきの魔法陣は転移トラップ………
っ!?やばいっ!どうしよう、転移トラップに引っ掛かっちゃった!?
俺は自分が転移トラップに引っ掛かった事に気付いてテンションが上がった。
って、喜んでる場合じゃないって!
そう思って、俺はニヤけそうになる顔を押さえる。
レイスたちとはぐれちゃったしどうしよう。
……あの時、レイスの手を掴めなかった。レイスたち、心配してるだろうな。
……でも、なんでトラップが発動したんだろう?魔力で発動するタイプのトラップ?
でもリオさんが前を歩いてから違うのか?
考えてみるけど結局分からなくて、俺はため息をついた。
それよりここはどこだろう?
そう思って、俺はもう一度周りを見回してみた。
何もない広い空間、ここってもしかして……
そんな事を考えてると、後ろの方でバタンと扉が閉まるような音がした。
その瞬間、広い空間の中央に強い魔力を感じた。
………やっぱり、ここはボスの間。
6階層みたいな序盤にボスの間への転移トラップって……誰だよ!そんなえげつないトラップ仕掛けたの!?
………まぁ、これも定番なんだけどね。
俺は小さく息を吐く。
問題はボスがどんな魔物なのか。
扉が閉まっちゃった以上、ボス戦は避けられない。
6階層のトラップだから、多分10階層あたりのボスだと思うんだけど………
中央の魔力溜まりから『グルルル』と唸り声が聞こえてくる。
そこからのしっとボスが現れた。
………どんな魔物が出てくるのかって思ってたけど、選りによってこいつかよ。
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