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第205話
キマイラは【火柱】を受けても傷付いた様子もない。
火傷くらい追ってくれても良いのに!!
結構魔力込めたのに、無傷ってなんだよ!?
そんな事を考えてると、キマイラの獅子の口元に魔法陣が現れた。
次の瞬間、その魔法陣から炎が放たれた。
「っ!?」
相手の攻撃を避ける術を持ってない俺は、咄嗟に【障壁】を展開させた。
ギリギリのところで防御が間に合う。
でもその攻撃の威力に若干圧され気味だった。
……このままじゃまずい。
その思って、俺は何とか攻撃を止めさせようとキマイラに雷魔法を放つ。
でもそれは尻尾の蛇に防がれてしまった。
見た感じ、俺の雷魔法を受けた蛇も少し焦げたくらいで殆どダメージを受けてないみたいだった。
そうこうしてる内に、キマイラの攻撃を受けていた【障壁】の一部にピシッと罅が入る。
まずい!?これ以上は【障壁】が持たない。
何か切り抜ける方法、何か……何か……
その時、ふとあることを思い出した。
前にリオさんが言ってた。
平面で攻撃を受けると防御が崩されやすいって。
攻撃を防御するには円を意識すると良いって。
円……円……
俺は想像出来る丸いものを必死に思い出そうとした。
考えてると、ふと思い付いた。
そうだ、ボウル!!
あの半円を思い浮かべれば良いんだ!
その思い付いた瞬間、俺は今展開させている【障壁】を半円にすることに集中した。
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