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第209話

(レイスside) 32階層 最下層まであと18階層。 俺たちは疲労もあって上手く進めないでいた。 いくら高ランクの冒険者でも、50階層あるダンジョンを一気に進むことはない。 いやむしろ高ランクだからこそ、そんな無謀なことはしない。 俺はディルとリオをチラッと見る。 二人にも明らかに疲労の色が見えていた。 本来なら休息をとった方が効率は良い。 でも俺たちにはそんな時間は無かった。 俺たちは出現する魔物を倒しつつ、先を急いだ。 「っ!?お二人とも止まってください!」 先頭を走っていたリオが急に止まったかと思うと、そう言って手を広げて行く手を遮る。 「どうかしたのか?」 ディルがそうリオに聞く。 「……何か来ます」 リオをそう言うと、前方に意識を向けた。 俺たちもリオの言葉に前方を警戒した。 しばらくすると、前方に魔法陣が現れた。 俺たちは剣の柄に手を掛けていつでも動けるように体制をとる。 警戒しつつ、魔法陣から出てくる相手を待った。 魔法陣が強く光を放って、その中心に人影が浮かび上がる。 俺とディルは剣を抜いて構えた。 光が徐々に収まってきて、その人影がはっきり見えてきた。 俺たちに気付くと、パァと笑顔になった。 「やったぁ!!成功だ!!」 そう歓喜の声を上げた。

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