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第213話
ふと目を開ける。
外はまだ薄暗い。時計を見ると、まだ朝の5時前だった。
……中途半端な時間に目が覚めちゃった、昨日寝たの夕方だったからなぁ。
そう思いながら俺は横を見た。
……レイス、居ない。
いつもなら一緒に寝てるのに。
俺は部屋の中を少し見回す。
4つあるうちの、俺から一番離れたベッドにレイスを見つけた。
俺はベッドから出ると、そっとレイスに近付いた。
別にいつも一緒に寝てる訳じゃない。
レイスだって一人で寝たい時だってあると思う。
でも何でだろうな、レイスと別々に寝ることが少し寂しい。
俺は少しレイスの寝顔を眺めて、小さく息を吐いてその場を離れた。
「フタバさん?」
部屋を出ると声を掛けられる。
見るとリオさんが立っていた。
「もう起きられたのですか?」
そう言ってリオさんが近付いてくる。
「昨日早く寝ちゃったから、目が覚めちゃって」
俺が『ははっ』と笑いながら言うと、リオさんが俺の頬に手を伸ばしてきた。
「……どうかしたのですか?」
そう言ってリオさんは俺の頬に軽く触れる。
「………ううん、何でもないですよ」
俺はそう言って首を振った。
「そうですか」
その後、皆で朝食を食べた。
いつも通り、レイスは俺の隣に座っている。
普通に会話もするし、笑いかけてくれる。
でも俺はそんなレイスに違和感を感じた。
朝食を食べた後はギルドに向かう。
昨日のダンジョンでの事を報告しなきゃいけないらしい。
ギルドに着くと、フレアさんが出迎えてくれた。
「お帰りなさい、皆さんご無事で何よりです」
そう言ってフレアさんは笑う。
「フタバさん、初めてのダンジョンは如何でしたか?」
「凄かった!色んな魔物も見れたし、すごく楽しかった」
「それは良かったです」
そう言ってフレアさんは『ふふっ』と笑った。
「では、確認致しますので皆さんギルドカードの提出をお願いします」
フレアさんにそう言われて、俺たちはギルドカードをフレアさんに渡した。
カードを受け取ったフレアさんが一枚づつ確認していく。
「え!?」
俺たちのカードを確認していたフレアさんが突然大きな声を発して、バッと驚いた表情で俺たちを見てきた。
「申し訳ありません、しばらくここでお待ちください」
そう言ってフレアさんは受付から出ると、二階に走っていった。
俺は訳が分からなくて、しばらくフレアさんが走っていった方を眺めていた。
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