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第217話

「では、こちらがフタバさんのカードになります」 そう言ってフレアさんにギルドカードを手渡された。 俺は手渡されたカードを見る。 「レイス、俺のランク何になったの?」 この世界の文字が読めない俺は、自分のランクが分からなくて隣に居たレイスに聞いてみた。 「………Bランクだな」 カードを見たレイスがそう言う。 「Bランク!?」 俺より先に反応したのはディルとリオさんだった。 二人はレイスが持つカードを覗き込んでいた。 「……まぁ、フタバは実力なら妥当か」 そうディルが呟いていた。 「取り敢えずランクアップおめでとう」 そう言ってレイスからギルドカードを手渡された。 「フタバさん、Bランクにはなりましたが、フタバさんは実戦経験が殆どありません。これからは魔物の討伐などの実戦も増やしていきましょう」 そう言うリオさんに俺は頷いた。 「これからどうするの?」 ギルドでの用事を終えて、俺たちはこれからの予定を決めていた。 ダンジョン攻略が思いがけないトラブルで終了してしまった為、予定していた日数がまだ半分以上残っている。 このまま帰るのは勿体無いということになった。 「町を出て、近くの森にいくのもありですね」 とリオさんが言う。 この近くの森にはCランクくらいまでの魔物がいるらしい。 「俺、ミラの町を見てみたい」 俺は手を上げながら提案する。 この町についてすぐにダンジョンに向かったから、ちゃんとミラの町を観光出来てないんだよね。 せっかく来たんだから観光したい。 「では今日1日ミラの町を回って、明日森に向かいましょうか」 リオさんがそう言うと、皆が頷いた。 俺たちは『そうと決まれば』と早速移動しようとした。 その時、 「風城!?」 後ろからそう声がした。

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