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第221話
「この後は二人はどうするの?」
「俺たちはまた城に戻る予定だよ」
そう水上が言う。
「……そっか」
本当はこのまま別れない方が良いんだけど……
「何か困った事があればフレディ……フレデリア王女を頼るといいよ。きっと力になってくれると思う」
俺がそう言うと、二人は顔を見合わせた。
「フレデリア王女って、最初に会ったあのお姫様だろ?」
高峰にそう聞かれて、俺は頷いた。
そうすると、二人はまた顔を見合わせた。
「………どうかしたの?」
もしかして、フレディに何かあったのか。
「いや、少し前まではよく見たんだけど、最近は見てないなって思って」
と水上が言う。
「……何かあったの?」
「いや、お姫様に何かあったって声は聞こえてきてないから大丈夫だと思うよ」
そう言って水上は笑う。
「うん」
水上の言葉に、俺も頷いた。
フレディにはロイドさんも着いてる。
だから大丈夫だよね………
俺は若干の不安を残しつつ、水上の言葉を信じた。
三人で話してると、外が騒がしいのに気付いた。
よく聞いてみると、悲鳴なんかも聞こえてくる。
「……何だ?」
水上と高峰も異変に気付いたみたいで、二人とも困惑する。
「ちょっと待って」
水上が耳の後ろに手をかざして外の声を聞こうとする。
「……皆混乱しててよく聞き取れないけど『逃げろ』とか『死ぬぞ』って声がする」
そう水上が言う。
………一体、何が起きてるんだ?
外の騒ぎにギルド内もザワザワとし始める。
そんな時、
「た、助けてくれ!!」
外からそう叫びながら男の人が飛び込んできた。
その人が入ってきた事で、ギルド内が騒然となった。
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