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第223話

外に出ると、町の人は皆パニックになって逃げ惑っていた。 空を見ると、まだ遠いけど目視でワイバーンの群れが確認出来た。 「……出てきたは良いけど…これ、どうすりゃ良いんだ?」 そう高峰が呟く。 水上もその光景に呆気に取られていた。 二人は恐らく魔物との戦闘には慣れていない。 二人がこの状況に対応出来ないのは当たり前だ。 俺も慣れてはいないけど、状況把握が出来る分落ち着いている。 「二人とも魔法は使える?」 「…え…ぁ……俺は…」 俺の問いに高峰が何とか答えようとしてくれるけど、まだそれどころじゃないみたいだ。 水上はまだ動けないでいた。 「大丈夫だよ。ギルドが対処してるし、他の冒険者もワイバーン討伐に動いてる。俺たちは俺たちの出来ることをすればいい」 俺がそう言うと、二人の顔付きが変わった。 どうやら覚悟が出来たみたいだ。 「俺は光魔法が使えるよ」 そう水上が言う。 「俺は風魔法が使える」 そう高峰も答える。 「…光に風か……うん、十分使えるね」 「……でも俺たちは魔法が苦手で」 と水上が不安そうに言う。 水上の話では、魔法というのかいまいち分からないらしい。 それは無理もない。俺みたいに魔法が使えたらとか考えてる訳じゃないし、魔法が当たり前のこの世界の人の説明で、魔法の無い世界から来た水上たちが理解出来るとは思えない。 「自分の中の魔力の流れは感じることは出来るんだよね?」 そう聞くと、二人とも頷く。 「なら大丈夫。魔法は術者の想像力が大切だから、イメージを鮮明にすれば大丈夫」 「……それってどうすれば?」 と水上が聞いてくる。 「光魔法だったら、レーザー光線とかフラッシュとかがイメージしやすいんじゃない?」 「俺は?」 と今度は高峰が少し前のめりで聞いてきた。 「高峰の場合は一番イメージしやすいのは竜巻とか暴風じゃないかな。二人とも魔力調節とかが難しいと思うけど、今は取り敢えず町の人の避難誘導を優先して。もしワイバーンが襲ってきたときは全力で魔法をぶつけて。俺も出来るだけフォローするから」 俺がそう言うと、二人とも頷いた。

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