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第227話

しばらく進むと町の外れまで来る。 ここら辺は最前線ってこともあって建物への被害も結構出ていた。 至る所に討伐されたワイバーンの死体もある。 怪我を負った冒険者の姿も見てとれる。 その様子は最前線の激戦を物語っていた。 俺はその様子にますます不安になった。 ………レイスたちは大丈夫だよね? リオさんの魔力を頼りにしばらく行くと、少し離れた場所に三人の姿を見つけた。 俺は三人の姿を見るなり、三人に駆け寄った。 「レイス !!」 そう叫ぶと、俺を見つけたレイスが一瞬驚いた表情をする。 「フタバ!?」 走ったせいで息が切れてる俺をレイスが心配そうしていた。 俺はレイスたちをよく見る。 所々かすり傷なんかはあるけど、目立った怪我は見当たらない。 それに三人共少し疲れてるように見えるけど、元気そうだ。 「…良かった、皆無事だった」 そう言って俺はホッと息を吐いた。 「どうしてここまで来たんだ?」 落ち着いたところでレイスがそう聞いてくる。 「皆が心配だったから……」 そう言ってレイスを見ると、レイスは少し不機嫌そうにしている。 衝動的に来ちゃったけど、やっぱり来るべきじゃなかったよね…… そう思って、俺は下を向く。 そんな俺を見て、レイスがため息をついた。 「心配かけて悪かった、見ての通り大丈夫だから安心しろ」 レイスは『な?』と言って、俺の頭に手を置いた。 レイスを見ると、レイスはフッと笑う。 俺もその笑顔に釣られて、顔を綻ばせた。

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