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第228話

レイスたちはワイバーンを5体も倒していた。 レイスたちが倒したワイバーンを見ると、魔法の攻撃の痕もあるけど、致命傷は剣による切り傷だ。 すごいな、明らかに不利な相手を5体も倒すなんて。 そう思いながらワイバーンをまじまじと見ていると、リオさんがマジックバックにワイバーンを収納していく。 ワイバーンはギルドに持っていって換金するらしい。 「そうだ!俺も1体倒したんだよね」 俺もワイバーンを倒した事を思い出して、パンッと手を叩く。 「はぁ!?」 レイスとディルが驚いた声を上げる。 リオさんも驚いた表情をしていた。 「水上たちと一緒に避難誘導を手伝ってたんだけど、1体襲ってきたから倒したんだ」 そう言いながら、俺は無限収納からワイバーンを取り出した。 「これも一緒に換金出来るかな?」 「…一緒にマジックバックに入れておきますね」 リオさんが少しため息混じりにそう言って、俺が出したワイバーンをマジックバックに入れた。 ギルドに戻ると、冒険者たちでごった返していた。 皆倒したワイバーンの換金や緊急依頼の報酬の受け取りで集まったみたいだ。 ワイバーン襲来なんて、腕利きの冒険者からしたら一攫千金だよね。 そう思いながら、俺は人の群れを眺めていた。 さすがに人が多すぎてカウンターに近付けない俺たちは、端の方で人が減るのを待っていた。 そこにフレアさんが走ってきた。 ディルがフレアさんに呼ばれて話をしている。 フレアさんと話終えると、ディルがギルドマスターに呼ばれたと言ってフレアさんと一緒にギルドの二階に行ってしまった。 リオさんもディルに着いていって、俺とレイスが取り残された。 何だったのかとレイスに聞くと、ギルドマスターだけはディルの身分を知っていて、今回の事で王族としてのディルに相談するんだろうとの事だ。 ……そうか、今回の事の詳細も王様に伝えなきゃならないし、建物の修繕とかで人手もいるから、その事を話すんだ。 そう思って、俺はディルが上がっていった階段を眺めていた。 「風城!!」 そんな事を考えていると、後ろの方から俺を呼ぶ声が聞こえた。

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