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第234話

ダンジョンの入り口に着くと、その付近には駆け出しっぽい冒険者たちが沢山居た。 その冒険者たちが口々に『〇階層のゾンビが』とか『ラスボスのリッチが』とか聞こえてくる。 ………ラスボスはリッチなんだ。 てか、やっぱりアンデット出てくるんだ…… 俺は冒険者の言葉に、テンションが更に下がった。 「フタバ、大丈夫か?」 俺が項垂れてると、レイスがそう言って覗き込んできた。 「………大丈夫じゃなくても、状況変わらないよね」 「まぁ、アンデット系が多いってだけで必ず出てくる訳じゃないから」 そう言ってレイスは苦笑いした。 もう出てくるってフラグ立ってんじゃん! こういう時は絶対出てくるんだよ! わらわら出てくるんだよ! 「じゃあ行きますよ」 とリオさんが言う。 俺はその言葉にため息をついた。 このダンジョンは洞窟タイプのダンジョンだ。 俺がそう感じるだけだと思うけど、その入り口は異様な感じがする。 俺にとっては、このダンジョンの入り口はお化け屋敷の入り口と一緒だ。 ダンジョンにはリオさんが先頭で入る。 その後にディル、俺、レイスと続いた。 【探索】を展開して周りを警戒する。 ただ【探索】では魔物が来てることは分かるけど、目視するまでは種類が分からない。 それが余計に恐怖を増幅させた。 しばらく進むと【探索】に反応があった。 リオさんの探索魔法にも反応があったみたいで、リオさんも前方を警戒する。 ディルとレイスも魔物の気配を察知したみたいで前方を警戒していた。 俺は別の意味で前方を警戒していた。 ディルとレイスが剣を構える。 まだ魔物の姿は見えないけど、【探索】で近付いてくるのは分かる。 もうちょっとで魔物が現れる所で、俺は隣に居るレイスの服を掴んだ。 緊張で心臓がバクバクいってる。 変な汗が出てきて、呼吸が乱れる。 ………何が来るの!? 違うよね!?ゾンビじゃないよね!? 陰から魔物が飛び出してくる。 俺は更にレイスの服を強く掴んでギュッと目を瞑った。 「フタバ大丈夫だ、アンデットじゃない」 そうレイスの声が聞こえてきて、俺は恐る恐る目を開ける。 魔物が現れた方を見ると、ウルフ系の魔物がこっちを威嚇していた。 その姿を見て、俺はホッと息を吐いた。

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