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第237話

(レイスside) 「リオ、大丈夫か?」 しゃがみ込んでしまったリオに、ディルがそう言って手を差し伸べる。 「申し訳ありません。魔力を使い過ぎただけなので大丈夫です」 そう言いながら、リオはディルの手を取った。 あのリオが魔力の使い過ぎで倒れるなんて。 フタバの魔法がそれだけ強力ってことか。 そう思って、俺はいまだにしがみついてくるフタバに視線を向けた。 「フタバ、もうゾンビは居ないから」 そう言ってフタバの背中をポンポンと叩くと、フタバがゆっくり顔を上げた。 顔を上げたフタバの目には今にも溢れそうな程涙が溜まっている。 「フタバ、もう大丈夫だ」 そう言うと、フタバの目からぼろぼろと涙が溢れた。 「……だから無理って、言ったのに~」 そう言ってフタバは更に泣き始めた。 余程怖かったんだろう。 俺はフタバを宥める為に、フタバの背中を擦った。 「………これ以上進むのは無理ですね」 フタバを宥める俺に、リオがそう言う。 「リオ、大丈夫か?」 俺がそう聞くと、リオは頷く。 でもディルに支えられたままだから上手く歩けないんだろう。 「取り敢えず外に出よう。リオも休まなきゃいけないし、次にまたアンデットが出てきたらフタバがこれ以上に暴走しかねない」 俺がそう言うと、二人が頷いた。 ディルはリオを支えて、俺はいまだに泣いてるフタバを連れて元の道を戻った。 本当ならリオの転移魔法を使えば一瞬なんだけど、魔力が枯渇しているリオにそれはさせられない。 同じ転移魔法が使えるフタバも、今はそれどころじゃない。 自力で地上に戻る以外に方法が無かった。 途中までは二人を支えながら戻っていたけど、最終的に抱えた方が早いという結論になって、俺とディルは二人を抱えた。 フタバは俺に抱えられ慣れてるから大人しかったけど、リオはディルに抱えられる事にかなり抵抗していた。 でもリオは思いの外魔力消費が激しかったみたいで、暴れた結果、疲弊して最後には大人しくなっていた。 ダンジョンの外に出た俺たちは、タイミング良くミラに向かう馬車に乗れて、ギルドまで戻ることにした。

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