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第244話
3日間の馬車の旅も終わって、俺たちは離宮に着いた。
邸の前には連絡を受けた従者やメイドの人たちが出迎えてくれていた。
馬車が離宮の敷地内に入って邸の前につけられると、真っ先にリオさんが馬車から下りて扉を開けた。
こういう時は下りる順番があるらしい。
そこら辺は俺はよく分からないけど、なんか面倒臭そう。
俺たちも馬車から下りて従者の人やメイドさんたちと話をする。
他にも荷物を下ろしたりとバタバタと動いていた。
その時、俺は気付いていなかった。
従者やメイドの隙間を猛スピードで駆け抜けてくる存在を……
「フタバ、そろそろ中に入ろう」
そう言ってレイスが邸を示す。
「うん、そうだ…ふぐっ!?」
俺が振り返った瞬間、ものすごい衝撃に襲われた。
その衝撃は見事みぞおちにクリーンヒット。
………あ、これ……ダメなやつだ…………
薄れ行く意識の中、皆の声が遠くに聞こえた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(レイスside)
フタバと一緒に邸に入ろうとすると、真横を何かがものすごいスピードで通りすぎた。
次の瞬間フタバからすごい声が聞こえてきて、見るとフタバが倒れていた。
「フタバ!?」
俺は倒れているフタバに駆け寄る。
倒れているフタバの上にはルディが乗っていて、俺は瞬時に状況を把握した。
「おい、今すごい声が聞こえたけどどうした?」
フタバの声を聞いて、ディルとリオも来た。
「ルディの体当たりがキレイに決まった」
俺がそう言うと、ディルとリオも状況把握したらしい。
「……あぁ、これは完全に落ちちゃってるな」
倒れているフタバを覗き込んだディルがそう言って苦笑した。
俺はフタバの上に居るルディを抱える。
「ルディ、フタバに会えて嬉しいのは分かるが、全力の体当たりはフタバが耐えられない」
そう言うと、ルディは俺の言った事を理解したのか『キュー』と鳴いて耳が垂れ下がる。
ルディを下ろすと、ルディはフタバが心配なのか『キュッキュッ』と鳴きながらフタバにすり寄った。
「大丈夫だ、すぐに目を覚ます」
そう言って頭を撫でてやると、ルディは理解したかのように『キュッ』と鳴いた。
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