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第249話
ギルドから帰ってくると、俺は早々にベッドにダイブした。
……疲れた。
そう思ってベッドに転がっていると、ルディが上に乗っかってくる。
「ルディ、重たいよ」
そう言ってみるけど、ルディを退けようとは思わない。
「ルディ、久しぶりに中庭に行こうか」
そう言うと、ルディが『キュー』と鳴いた。
部屋を出て、中庭に向かって廊下を歩く。
……レイスどこに行ったんだろう。
レイスも一緒にと思ったけど、離宮に帰ってすぐにレイスはどこかに行ってしまった。
メイドに聞いても『知らない』と返ってきた。
ディルとリオさんはすぐに公務に行っちゃったし、レイスも何かあるのかな。
……そういえば最近、レイスがいつの間にか居なくなるような気がする。
いつの間にか居なくなって、遅くに帰ってくる。
それに最近一緒に寝てくれなくなった。
いやまぁ、一緒に寝ること自体おかしいのかもしれないんだけど。
……………でもなんか……ちょっと寂しいな。
そんな事を考えていると、ルディが『キュー』と鳴いて俺はハッとした。
見るとルディが覗き込んでいた。
「ごめん、何でもないよ」
そう言ってルディを抱き上げて撫でた。
中庭に着くと、ルディが駆け出す。
ルディは花壇に近付いて花の匂いを嗅いでいた。
相変わらずキレイに手入れされてるな。
そう思いながら地面に腰を下ろす。
うん、やっぱりここは落ち着くな。
静かで、ゆっくりと時が流れるようで。
この世界で俺が好きな場所だ。
そう思いながら俺は、花の香りを楽しむようにゆっくりと深呼吸をした。
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