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第250話
パチッと目を開けると、俺はベッドに寝ていた。
…………あれ?
体を起こして周りを見回す。
確かルディと一緒に中庭に居た筈なのに、何でベッドに寝てるんだ?
俺は何でベッドに寝てるのか、いつ部屋まで戻ってしたのか全く思い出せなくて、一人でうーんと唸っていた。
何とか思い出そうと考えていると、扉が開いてレイスが顔を出した。
レイスと一緒にルディも入ってきて俺の方に走って来る。
「レイス、いつ戻ってきたの?」
俺は依ってきたルディを抱き上げながらレイスに聞く。
「少し前だな」
レイスの話では、一時間くらい前に戻って来て、中庭で俺が寝てるとメイドに聞いたらしく、俺をベッドまで運んでくれたらしい。
………そうか、あのまま寝ちゃったんだ。
「……お手数お掛けしました」
そう言ってレイスに頭を下げる。
「どこでも寝れるのは、ある意味才能だよな」
そう言ってレイスが笑う。
ちょっとバカにされてる感があったけど、実際どこでも寝られてしまうから何も言えなかった。
「レイスはどこに行ってたの?」
そう聞くと、レイスは俺の顔をじっと見てくる。
「…ちょっとな」
そう言ってレイスは目を逸らした。
「………そっか」
はぐらかされちゃったな。
『どこ行ってたか』って、あまり聞いて欲しくないみたいだ。
その後はレイスと一緒にご飯を食べて、俺はお風呂に入った。
お風呂から上がるとレイスは窓辺に立っていた。
「レイス」
声を掛けると、レイスは驚いたようにこっちを見る。
その時、レイスの側に鳥が止まっている事に気付いた。
「フクロウ!?」
違うかもしれはいけど、止まってた鳥は俺の世界のフクロウそっくりで思わず叫んでしまった。
俺が叫んだ瞬間、フクロウは飛んでいってしまった。
「あぁ、行っちゃった」
もっとちゃんと見たかったんだけどな。
そう思ってちょっと肩を落とす。
「さっきの鳥ってどうしたの?」
そうレイスに聞くと、レイスの体が微かに揺れる。
「あ、あぁ、迷い込んできたんだよ」
「………そうなんだ」
その後すぐ、レイスは『俺も風呂に入ってくる』と言って浴室に入っていった。
………なんか、ちょっと様子が変だった?
そう思って、俺は首を傾げた。
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