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第251話
(レイスside)
俺はフタバの問いに対して、誤魔化すように浴室に入った。
さっきフタバが『フクロウ』と呼んだ鳥。
あれは『夜鳥』と呼ばれている魔物。
フタバの言うフクロウがどんな鳥かは分からないけど、間違えるくらいだから多分似ているんだろう。
夜鳥は夜行性で暗闇を飛ぶ為に進化した魔物だ。
闇夜でも見通せる眼を持ち、羽音を殆ど発てない特別な羽を持つ。
比較的大人しく、密書を届ける為に使役している者が多い。
俺はシャワーを頭から浴びながらさっきの事を思い出していた。
あの夜鳥には書簡が取り付けられていた。
それにあの紋章は………
風呂から上がると、フタバがまだ起きていた。
俺に気付くと、フタバはニコッと笑う。
また色々と聞かれるのではと思った俺は、一瞬身構えてしまった。
「レイスはもう寝る?」
近寄ってきたフタバがそう聞いてくる。
「……そうだな。今日はちょっと疲れた」
「今日は色々あったもんね」
そう言ってフタバは小さくため息をつく。
また色々聞かれると身構えていた俺は、そんなフタバに拍子抜けしてしまった。
フタバも『俺ももう寝ようかな』と言う。
「……一緒に寝るか?」
俺がそう言うと、フタバは驚いた表情を見せた。
ここ最近、フタバと一緒のベッドに寝ることを避けていた。
それは俺の気持ちの問題。
でも今日は………
「良いの?邪魔じゃない?」
フタバがそう聞いてくる。
「俺が良いって言ってるのに、邪魔なんて思わないよ」
そう言うと、フタバは嬉しそうに笑った。
フタバと一緒にベッドに入ってしばらく、横を見てみるとフタバは既に寝息を発てていた。
昼寝してた筈なのに、本当に良く寝る。
そう思って思わず笑みが溢れた。
俺は寝ているフタバの頬に触れた。
「………ごめん」
そう言って俺はフタバの頬にそっとキスをした。
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