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第261話

(リオside) 扉の外から突然とてつもない魔力を感じた。 ……でもこの魔力は。 安全の為、ディル様にはその場に待機してもらって、私はそっと扉に近付く。 取っ手に手を掛けてゆっくりと開けた。 その瞬間、とてつもない魔力が部屋になだれ込んできた。 その魔力量に私は思わず防御姿勢を取った。 しばらくすると、漸く魔力の渦が弱まる。 見ると、扉の前にはフタバさんが立っていた。 「……フタバさん」 やっぱりこの魔力はフタバさんのもの。 でも何故突然こんな…… 「………今の話、どういう事?」 「え?」 「フレディに隷属の首輪が着けられたってどういう事?」 そう言うと、フタバさんからまた魔力が溢れ出す。 もしかして、さっきの話を聞かれて……? 「フタバさん魔力が暴走している、落ち着いて下さい!」 「さっきの話はどういう事!?」 そう言ってフタバさんが掴み掛かってきた。 その瞬間、フタバさんの魔力が一気に襲いかかってきた。 「っ!」 凄まじい魔力の渦に体が引き裂かれそうになる。 防御結界を張ってみるものの、フタバさんに触れられていて意味を成さない。 「……フタバ、さん」 マズい、このままじゃ持たない。 どうしたら…… そう考えていると、突然フタバさんの体がグラッと倒れ掛かってきた。 その瞬間、渦巻いてた魔力の渦が消える。 私は凭れ掛かってきたフタバさんが支えきれず、その場に座り込んでしまった。 呼吸が乱れて、体に力が入らない。 どうなったのかと思って見ると、目の前にディル様が立っていた。 「……ディル、様?」 「リオ、大丈夫か?」 そう言ってディル様が私の前にしゃがむ。 どうやらディル様がフタバさんを気絶させたらしい。 「…大丈夫です。フタバさんの魔力に少しあてられただけですから」 そう言うと、ディル様がホッとしたように息を吐いた。 「……そうか」 ホッとしていたディル様の表情が少し曇って、『それより』と続ける。 「どうしてフタバは暴走したんだ」 そう言ってディル様が倒れているフタバさんに視線を向けた。 私もそれに釣られてフタバさんに視線を移す。 「どうやらさっきの話を聞かれていたようです」

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