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第263話

目を覚ますと、そこは知らない部屋だった。 俺は部屋の中を見回した。 部屋の造りから、多分離宮の中にある部屋だと思う。 俺たちに与えられてる部屋より一回り狭くて、家具もベッド以外何もない部屋。 俺はなんで自分がここに寝かされていたのか分からなかった。 状況が分からなくてキョロキョロと首を動かしていると、ズキンと首に痛みが走った。 俺は咄嗟に首を押さえた。 ………首、痛い。 なんでと考えてると、部屋の扉が開いて思わず体が揺れた。 「フタバさん、気が付かれましたか」 そう言ってリオさんが顔を出した。 リオさんにそう言われて、俺はさっまでの事を思い出した。 「リオさん、俺……」 「待ってください」 リオさんに遮られる。 「色々話したい事はあると思います。ですがもうしばらく待ってください」 そう言ってリオさんが力なく笑う。 「……リオさん?」 なんだろう、リオさん何か顔色が悪い? 「リオさん、もしかして体調悪いですか?」 そう聞くと、リオさんは苦笑を漏らした。 「大丈夫ですよ。少し休めば良くなりますから」 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ (リオside) 目を覚ましたフタバさんは落ち着いていた。 状況は理解しているみたいだけど、魔力が暴走したのは無意識だったみたいだ。 「フタバさん、フタバさんは我らの話を聞いて魔力が暴走したんです」 「……魔力の暴走」 「はい、それを見かねたディル様がフタバさんを気絶させました」 そう言うと、フタバさんが頷いた。 「今、ディル様が陛下の所に行っています。ディル様が戻られたら、事の顛末をお話致します」 「……良いんですか?」 「え?」 「レイスに口止めされていたんじゃないんですか?」 「………どうしてそれを?」 「レイスからの手紙、あれに書かれていたんじゃないんですか?」 本当にフタバさんは敏い。 「……そうですね。ですが既に隠してはおけない状況になってしまっています」 そう言うと、フタバさんは何故か目を伏せた。

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