8 / 452

第7話

どれくらい時間が経ったのか、ここに居ても仕方ない。 その思って、俺は動かない身体を無理矢理動かす。 フラつきながら、壁伝いに教室を出た。 廊下をゆっくりと歩く。 時間的に残っている生徒はもういないのか校舎内は真っ暗だ。 散々弄られて体力が残ってない俺は、少し動いたたけでも息を切らす。 俺は壁に寄りかかって、何とか歩いていた。 「緋桜くん?」 壁伝いに歩いていると、突然後ろから声を掛けられた。 その声に体が跳ねた。 ……誰? 俺は恐る恐る声がした方を見た。 そこには木崎が立っていた。 「……きさ、き…?」 「緋桜くん、こんな時間にどうしたの?」 こんな時間………?一体今、何時なんだろう? 「お前、は…なんで……?」 「俺は生徒会の仕事で残ってたんだ」 「……そう」 「緋桜くん?なんか、さっきから様子がおかしいけど………」 そう言って、木崎が手を伸ばしてきた。 その手が視界に入ってきた瞬間、恐怖に襲われた。 「ッ!触るな!!」 俺は伸ばされた木崎の手を叩き落とした。 呼吸が荒くなって、体が震える。 ………何で俺。 目に涙が溜まる。 ……もう嫌だ。 そう思った瞬間、目の前が真っ暗になった。

ともだちにシェアしよう!