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第8話

(秋哉side) 思ったより遅くなったな。 そう思って俺はため息を漏らす。 なんか、俺の仕事量多くないか?最終の校舎の見回りなんて俺の仕事じゃないだろう。 時計を見ると、もう7時すぎ。 もうさすがに残っている生徒は居ないだろう、そう思いながら俺は廊下を歩いていた。 廊下を歩いてると、前の方に人影が見えた。 まだ誰か居るのか? その思ってゆっくり近付くと、その人はフラついて壁に凭れながら歩いている。 調子が悪いのか?………あれ、あの後ろ姿。 「緋桜くん?」 俺が声を掛けると、その生徒はビクッと身体を跳ねさせてこっちを見た。 驚かせたか? 「……きさ、き…?」 「緋桜くん、こんな時間にどうしたの?」 「お前、は……なんで……?」 ………消えそうな弱い声。 「俺は生徒会の仕事で残ってたんだ」 「………そう」 なんだろう、なんか様子がおかしい。 「緋桜くん?なんか、さっきから様子がおかしいけど………」 そう言って、触れようとしたら手を叩き落とされた。 「ッ!触るな!!」 そう叫んで、呼吸を荒くする。 「緋桜くん!?」 よく見ると、緋桜の身体が揺れている。 呼吸が荒くて震えてる?明らかに様子がおかしい。 「緋桜くん、どうしたの!?」 そう聞いても反応がない。 聞こえてないのか……… そう思って様子を見ていると、緋桜の体がグラッと揺れた。 俺は慌てて緋桜を受け止めた。

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