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第11話

目が覚めると、そこは見知らぬ場所だった。 な、なに!?ここどこ!? 広い部屋に豪華な家具。 え、あれ?俺、どうしたんだっけ? 俺は必死に思い出そうした。 たしか学校で寝ちゃって、そのあと……ぁ……俺、斎藤に………… 思い出した途端、身体が震えだす。 俺は自分を抱き締めて、なんとか震えを止めようとした。 その時、カチャっとドアが開けられて体がビクッと跳ねた。 「良かった、目が覚めて」 入ってきたのは木崎で、木崎は俺を見てニコッと笑う。 「………木崎……なんで?」 「なんでって、ここ俺の家だから」 「木崎の……?」 「覚えてる?緋桜くん、学校で倒れたんだよ」 「ぁ……」 『家が分からなかったからここに連れてきた』と木崎は言う。 「……ごめん、迷惑かけた」 そう言うと、木崎はまた笑った。 あの場に居たってことは、もしかして俺がされたことを知ってるのか? 「緋桜くん?どうしたの?」 そう言って、木崎が手を伸ばしてきた。 その手が視界に入ってきた途端、斎藤の手と重なった。 「触るな!!」 そう言って、俺は木崎手を叩き落とした。 「…ッ!ごめん、俺……」 俺はハッとして、自分のしてしまったことを後悔する。 「大丈夫だよ」 「……ごめん」 そう言って、俺は俯いた。 「緋桜くん疲れてるんだよ。今日はゆっくり休んで」 「え、でも……」 戸惑っている俺に、木崎は微笑んだ 「この部屋は好きに使っていいから。じゃあおやすみ」 そう言って、木崎は部屋を出ていった。 ドアが閉まった途端、涙が溢れてきた。 「…ッ…フゥ……」 ……なんで…………… 俺は、まだ痛みの残っている体を抱き締める。 俺はどうしてこんななんだろう。 人に迷惑掛けてばっかだ。 俺は自分自身が嫌いだ。 最初は些細なことだった。タイミングが悪いとか、くじ運が悪いとか、そんなだった。 俺自身そこまで気にしていなかった、俺のせいで人が傷付くまでは…… 俺のせいで人が不幸になるのは嫌だ。 俺はしばらく泣いていたせいか、もともと体力を失っていたせいか、いつの間にか眠ってしまった。

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