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第14話

木崎が学校に行ってる間、佐々木という人がずっと近くにいた。 ………なんでこの人はずっとここに居るんだろう? 今は一人にしてほしいのに、誰かの側には居たくない。 そう思って、俺は部屋の角で本を読んでいる佐々木さんを見ていた。 佐々木がその視線に気付いたのかこっちを見た。 「どうかした?」 そう聞かれて、俺は体が跳ねた。 俺は慌てて首を振った。 事の始まりは数十分前……… 朝、目が覚めると俺は木崎の部屋に居た。 「あ、緋桜くんおはよう」 そう言って木崎はニコッと笑う。 「緋桜くんは今日は学校休んでね、体まだ辛いでしょ?」 ………体…?まだ痛みと怠さが残ってる………… 俺の体調を分かってるってことは、やっぱり知ってるのか、俺がされたこと……… そう思って、俺はキュッと唇を噛んだ。 「朝食用意しといたから、食べれそうだったら食べてね」 木崎はニコニコ笑いながら言う。 何があったのかは、聞いてこないんだな。 「あぁ、それと、佐々木!」 木崎が呼ぶと、一人の男の人が入ってきた。 「彼は佐々木、俺の………何?」 木崎が佐々木さんにそう聞くと、佐々木さんは呆れたようにため息をついた 「俺は、佐々木 玄十。秋哉さんの世話係兼教育係です。よろしく」 そう言って手を出されたけど、俺はその手を取ることが出来なかった。 すいませんと謝ると佐々木さんは笑って許してくれた。 「何かあったら、佐々木に言うといいよ」 そう言って、木崎は学校に行った。 で、今に至っている。 ………落ち着かない、この部屋もだけど、この人も………家に帰してくれないかな? なんで俺はここに引き留められてんだろう。 一人になりたいのに、何でこの人ずっと居るんだろう。 「あ、そういえば」 突然声を出した佐々木さんに、俺は体が跳ねた。 「あぁ、ごめんごめん、驚かせたね」 そう言って、佐々木さんは笑う。 「中村くん?緋桜くん?」 ……これは、どう呼んでいいのか聞いてるのかな? 「……緋桜でいいです」 「緋桜くんね。ところで緋桜くんお風呂入りたくない?」 ……………お風呂?

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