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第17話
電話の鳴った佐々木さんが『ちょっとごめん』と言って携帯を持って部屋の外へ出ていった。
俺は佐々木さんの出ていったドアを見つめていた。
……帰りたい。ここは落ち着かない、ここに居たくない。
そう思って俺は、フラつきながらドアに向かうと、外の様子を伺った。
ドアを開けて部屋の外の様子を伺うと、離れた所で話してるのか佐々木さんの姿は見当たらない。
……今なら
そう思って、俺は部屋を出た。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(佐々木side)
「悪かったね」
そう言って部屋にもどると、部屋の中がシンとしてるのに気付いた。
はぁ!?
「え、緋桜くん!?」
俺は部屋の中を見回す。
バスルームやトイレも覗いた。
居ない!?
俺は慌てて部屋の外に出て緋桜くんを探した。
あんな状態でどこに行ったんだ。
家に帰りたがってたから家か?
いや、でも、ここからの帰り道は知らないはず。
取り敢えず、秋哉に連絡しないと。
そう思って、俺は秋哉に電話をかけた。
数コールで秋哉が電話に出た。
『佐々木?どうしたの?』
「悪い、あの子が居なくなった」
『はぁ!?え、どういうこと?』
「ちょっと目を離した隙に、脱け出したみたいだ」
『何やってんの!?』
やっぱり怒るよな。
これは完全に俺のミスだ。緋桜くんが動けないと思い込んでいた。
『分かった、俺も探すよ』
「いや、それはこっちでやるから、お前は授業受けろよ」
『佐々木、何言ってんの?この状況で、大人しく俺が授業受けると思ってんの?』
電話越しの秋哉の声が変わった。
……これは本気で怒ってるな。
「ッ!………分かったよ、ただし、定期的に連絡しろよ」
『ん、努力する』
と素っ気ない返事が返ってきた。
「いや、それ分かっ………」
"分かってないだろ"と言おうとしたら、プツッと電話が切られた。
………あいつは!人の話しは最後まで聞けよ。
そう思って、俺はため息をついた。
取り敢えず、まずは緋桜くんを見つけなきゃ。
あの体ではそう遠くには行ってない筈だ。
そう思って、俺は緋桜くんを探して走った。
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